2016年1月23日土曜日

焼鳥 今井 ディナー


おいしいものを食べるため、2週間ぐらい前に予約を入れました。待ちに待った当日です。


料理はお任せのコース(6000)で、ワインはシャンパンと白を1本ずつ持ち込ませていただいた。


まず1杯目は喉を潤すためにビール。箕面ビールのヴァイツェン(WEIZEN)。密度の高さと華やかな香り、バナナの風味などヴァイツェンらしい香りや味わい。やや大人しいタイプ。


お腹を温めるために出された豆腐。松葉ガニの煮汁と柚子が利いたもので、柚子がしっかり利いているので松葉ガニの風味は極僅かでほとんど取れない。豆腐が繊維のような弾力と滑らかさがしっかりとある。ほっとする味わい。


鳥のささ身と胸肉の刺身。これにはシャンパンが合うということなので持ち込んだワリス・ユーベルトのブラン・ド・ブラン2010を開ける。生産者を訪問したときに持ち帰ったもの。還元香が前面に出ているがクリーム感の中から高いトーンの柑橘が香りが奥から伸びてきて、味わいはピチピチさとこってりさが継ぎ目なく一体になっている。刺身の肉や繊維にシャンパンが筋肉のように厚みをもって支持するような感じになる。


メインを選びます。3名なので大分の天然とらふぐ白子、仏・バスクのキントア豚ほほ肉、そして鳩がない代わりにメニューにない猪を選び、シェアしてもらうことにした。手前には食材のフランス産のホワイトアスパラなどが並んでいる。


レバーのパテは旨味が多く、華やかさもあり、高いトーンな風味、舌触りの滑らかさと軽やかさがあっておいしい。金柑もトロッとしておいしい。このレバーのレシピは今井さんの親方がクッキングパパを真似していたところ、夢に出てきたバルサミコ酢を加え、さらに今井さんが改良を加えていったそうです。


大分の天然とらふぐ白子は、焼いた香ばしさと中のとろっと感が凝縮したような味わいでおいしい。


油揚げは豆腐の美味しさがわかるおいしさで、焼きの香ばしさもあり、箸休めになる。


レバー、甘くて、焼きが香ばしい。


パクチーが入ったつくね。細かい軟骨のコリコリした食感もあり、ハーブと肉の風味がつくねの形を二周り大きくしたようにふんわりと味わいが一体になる。おいしい。


ホワイトアスパラ。これも焼きの風味と中央がジューシー


白菜の漬物。柚子などの柑橘風味で口がさっぱりする。


ここで持ち込んだもう1本、ドミニク・ラフォンのムルソー2011を抜栓。ムンムンしたクリームを纏った香り、トロミを感じさせるような果実味が密度を持ち、柑橘の酸味と一体となりながら、15cmから20cmぐらいの球体となる。やはりおいしい。


ワサビつき松風地鶏の海苔巻きは、海苔の香りと味わいが活きて鶏肉ではない料理のようになる。紅大根は甘い。


部位違いの3本


トリュフは現地でも洗ってないもので、その分コクがあり、ギュっと数センチの領域に香りや戻り香も集まり、カルピスバターの軽やかで程よい塩味が卵を活かしている。


鮮やかな焼きの手さばきをみているのも楽しい。


皮と胸肉?、ハツモト。ハツモトだけ食感も味わいも違い、これにしかない独特な美味しさで個性が光る。


マッシュルームは小振りだが、丸ごと一口で食べられて、噛むと中からジュっとジュースが出てくる。


常連さん?が顔を出して今井さんに来てねと渡したコンサートのリーフレット。


左側が猪で、右側が仏・バスクのキントア豚ほほ肉。猪の方が柔らかく、噛むとサクッとして舌触り滑らかで甘味もある。一方、豚ほほ肉はしっかりした歯応えと野生を感じさせる味わいで、猪と豚が逆のような印象を受ける。そしてスパイスにはマダガスカルの唐辛子、胡椒で、この胡椒は東洋らしい御香のような香りや風味で肉にアクセントやリズムが加わる。

<写真撮り忘れ>
サラダはイタリアのセルバチコ。原種のものでイタリア現地ではルーコラセルバチカというようです。味わいがガツーンと濃い味わいが中太で直球にやってくる。ドレッシングは醤油に米油を加えたもの。インパクトがあっていいです。


ヤギのチーズとマールで2回洗ったチーズ。後者はとても味わいが凝縮されていて、エポワスなどのウォッシュとは違い、それよりは酒盗(しゅとう)のような旨味やお酒と合わせてチビチビ食べるような食べ方をイメージさせる。おいしい。ヤギのチーズはジャッキー カンジ L'Artisan Affineur Jacquy CANGEです。


ブラインドで提供されたフィリップ・ボールナールのヴァン・ド・リクール・ル・ジョリクール。プラムや熟成感、ブランデーのような香りも混じり、果実味の甘味が強くてガツーンっと力強い波のように押し寄せてくる。杏子酒のような感じもある。ボールナールはクレマン・ド・ジュラなどが好きなのだが最近入手できない。


追加の親子丼は山椒が利いている。山梨のお米で粘りがなくて一粒ずつが分離していて、食感、卵の絡み方などがとてもいい。


ジェローム・ランベールのアン・ブラン・グルマン。旨味が詰まり不透明な色合い、柔らかく柑橘とりんごなどがトロっとした香りで、味わいはペティアンのように舌に微発泡を感じさせ、トロッとした舌触りと旨味。ビオらしいやさしい味わい。


ほうじ茶で締め。ほっとする。

鶏、豚、猪などの肉と白子、トリュフなども食べてお腹いっぱい。3名でビール、ワイン2本+αで今井さんのホスピタリティも加わり、楽しいディナーでした。ごちそうさまでした。

焼鳥 今井
東京都文京区千駄木2-29-4 03-3821-2989 月休